今からかれこれ、15年以上前。(調べてびっくり。もうそんなに経つの!?)
「踊る大捜査線」で有名になった「本広克行」監督が、渾身の郷土愛を爆発させて作った映画がありました。
その名も、
「UDON」
「讃岐うどん」ブームを起こすなど、まさに「うどん」が中心の映画でした。
さて。先日、うちの「おじいちゃん」とうどんの話になり、私が嫁いできた当初は、本当に「うどん」の良さがわからなかったという話をしたんですね。
そうしたら、おじいちゃん、驚愕! そして納得。
「ああ、なるほどなぁ……」
と、とても灌漑深げに頷いていました。
讃岐人と、伊予人の、「うどん」に対する見解の違い(笑)
たえさんは、実は伊予の国の出身です。
嫁ぐ形で、讃岐の国にやってきました。
そんなたえさんが、「讃岐うどん」をソールフードとして思うようになるまでの経緯を、ちょっとお話させてください。
「うどん」は「うどん」でしょ?
愛媛県と香川県は、同じ四国の中にあり、なんなら隣同士です。お隣です。
嫁いできた場所から、私の実家があったところまでは、高速を使えば一時間ぐらいでたどり着きます。
本当に近いですよね。
ですが。
私の中での「讃岐うどん」というのは、ぶっちゃけ、
「ただのうどん」
だったんです……。
もちろん、愛媛県にも、うどん屋さんはたくさんあります。
でも、同じようにラーメン屋さんもたくさんあります。
要するに、私にとっては、うどんもラーメンも一緒。
麺類というブロックでひとくくりなわけです。
ですから、嫁いできた当初、うどん愛の強い元旦那や、香川でできた友人たちと
「ここのうどんは美味しいんよ」←お気に入りの店がそれぞれあるのです
とうどんを食べに連れていかれても、
『うどんはうどんであり、それ以上でも以下でもないのよね……』
と心の中で思っていました。
そう。
讃岐の人達のいう、店によっての味の違いってもんが、さっぱりわかんなかったんです。
そもそも、讃岐にはうどん屋が異常に多い
さて。嫁いできてから、とにかくびっくりしたのは、道を歩けば、もしくは、車で走れば、とにかくうどん屋さんにぶちあたるってこと。
どこもかしこも、うどん、うどん。
ラーメン屋さんや、蕎麦屋さんを探すのは、かなり困難な状況でしたよ、ええ。
今でこそ、チェーン店的なラーメン屋さんはよく見かけますが。
なにゆえに、こんなに「うどん」店ばかりなの!?
と、当初は驚いたものです。
なにゆえもなにも、讃岐の人達は、朝もうどん、昼もうどん、なんなら、晩もうどん、みたいな感じの人が多いからだと思います。
たいていのうどん屋は、朝5時、6時に開いている
そうなんですよねぇ。
きっと朝に一杯のうどんを食べてから出勤する、という人が多いからだと思います。
そして、閉店はたいてい、昼の三時ぐらい。
もちろん、夜まで開いてくれているところもありますけどね。
香川の中で「名店」とか「美味しい店ナンバーなんとか」に入るようなお店は、ほとんど軒並み、朝早くから昼過ぎまでの営業っていうイメージです。
『回転』が速い
とにかく、昼時はめっちゃ混んでます。
美味しいお店ほど、駐車場も車でいっぱいだし、外まで並んでいる印象があります。
だけど、驚くべきスピードで人が流れていくんですよ。
なのでみんな、少々の混雑なんて気にしません。
どんどん並んでも、すぐにお会計までたどり着くからです。
讃岐の人は、うどんを呑む、いう感じなので、あっという間に食べ終えて出ていくからだと思っています。
食べ終えて、そのまま座席で世間話、なんて場面はまず見ません。
観光客の方にはたまにいらっしゃいますが、やはり讃岐の人達はアッという間に出ていく印象です。
個々にお気に入りの店がある
当初の私の中では、「うどん」は本当にただの「うどん」であり、「かけ」だの「肉」だの「ぶっかけ」だの言われても、味の違いがよくわかんなかったんですよね。
いや、なんかここまで書いて、これって私だけなのかしら……と不安になりつつありますが。
でもそんなに「うどん」中心で生活してこなかった身としては、やはり、「うどん」はただの「うどん」だったんです。
ですから、お気に入りの店というのも、あんまりピンとこなくて。
いや、ただ普通にお気に入りならわかるのですが、讃岐の人たちは一味違います。
「「かけ」ならこの店」
「「釜あげ」ならこの店」
と、「うどん」の種類? メニュー? によって、お気に入りの店が違うことが多いんです。
現に、うちのおじいちゃんも良く、
「あそこの「かけ」が食べたい」
だの、
「今日は「ぶっかけ」の気分やから、あそこに行こか」
と言ったりしています。
店によって、それぞれに味が違うし、得意なメニューが違うって感じなのでしょう。
県外からのお客さんは、うどん屋巡りをしがち
これも当初は理解できなかったたえさんなんですよね。
結婚したての頃、某大手ファーストフード店に勤めていまして。(現在、三度目の就職したところです(笑))。
そこの社員さんって、たいていは県外からやってこられる人達なんです。
その頃に、やはり県外からやってきていた社員さんに、他のパートさんと「うどん巡り」に誘われたことがあります。
興味本位で向かったのですが、仕事までの間に、三軒回ったかな。
どこも確かにバラエティーに富んでいましたが、やはり味は……同じような……気が…………。
結果、そのあとの仕事の時間は、異様に喉が渇いたのを覚えています。
「うどん」は「塩」を使っていますからね(笑)
それで喉が渇いて仕方がなかったのかと。
そんな記憶しか残っていない次第です。
「讃岐うどん」の違いに気づいたきっかけ
では、いよいよ本題です。
あれだけ、「うどん」はただの「うどん」と思い続けていたたえさんが、今や立派な讃岐人となり、「うどん」がソールフードになったのか。
「讃岐うどん」との距離感が縮まった
嫁いで離婚して、数年経った頃。
たえさんは当時も仕事にてんてこ舞い。朝から晩まで働いていました。
休憩時間も惜しいって感じだし、なんなら借金返済(旦那が残した私名義のやつ)で貧乏だったので、お昼は簡単で安いものって考えてました。
どこかで優雅にランチなんて、とんでもない。
そこで考えたのが「うどん」です。
今は少し値上がりしつつあるのかな? いやそれでも、下は100円ぐらいから、私のお気に入り店舗でも、「かけ」一杯250円です。
めっちゃ安くないですか?💦
おかげで、本当に助かってました。
さっきもお話したように回転も速いので、昼休みを有意義に過ごすことができましたしね。
で、やはり同じ店舗ばかりだと飽きるので、その頃にはあちこちのうどん屋に行くことが増えました。
流行りの店をきちんと選ぶ
何と言いますか。映画の影響なのかどうなのか。
うちの遠方に住んでいる伯父と伯母が以前、こんな話をしてくれました。
「おいちゃん言うたらね。「讃岐うどん」屋は、見た目がボロい店の方が、美味しいんや、いうて聞かんでね。入ったはええけど、Gが出るんやないかってぐらい酷くて。うどんもそんなに美味しくなかったんよ」
と。
確かに「UDON」の映画に出てくるお店は、どこかの古い民家のような店がほとんどです。
なのでそういうイメージを抱いてしまうのも仕方ないかなぁ、とは思いました。
実際、確かにそういう店構えで、めちゃ美味しいお店もたくさんあります。
ですが、やはりそういうお店は、「流行っています」。
ただ、私自身の考えではありますが、長年讃岐に住んでいて気づいたことがあるんです。
それは。
昼休み時、美味しいうどん屋には車がたくさん停まっていて、美味しくないうどん屋には、車も少ししか停まっていない!
ということです。
さっきもお話したように、流行っている店もちゃんとあり、そこはやはり車も多く停まっています、人の姿も多く見られます。
これは他のお店にも言えることかもしれませんが、讃岐において、とくにうどん屋に対して、讃岐の人達の評価はとても厳しいです。そんな印象が未だにぬぐえません。
一度立ち寄って、
「不味い」
と思ったら、もう二度とその店には行かないでしょう。
なぜなら、他にもたくさんうどん屋があるからです。
なので、やはり美味しくないお店は、すぐに廃れてしまうんですよね。
逆に美味しいお店だと、いつもお昼は車でいっぱいです。
ここは田舎なので、基本的に車が日常生活の「足」になります。
なので、そういう判断をするわけです。
やたらめったら、うどん屋が多いこの県では、仕方ないことなのかもしれませんね。
巡り合えた「こだわり麺や」さん♪
そうなんです。
たえさん、上の理屈を思いついてから、車の多い店に行くようにしました。
そして、とある一軒のお店で、たえさんは生まれて初めて、
「うどん、めちゃ、美味しい!」
と感じたのです!
讃岐うどんチェーン店「こだわり麺や」さん
そのお店がこちら✨
香川県でチェーン店を展開する、讃岐うどんのお店です。
「いやいやいや、ここにきてチェーン店って」
と思うなかれ!
麺やさんは、いつもどこの店も、常に混んでます。
昼時は必ず並びます。
県内の麺やさん、けっこうあちこち行ってますが、やはりどこも並びます。
それだけ人気のあるお店であり、駐車場に停まっている車のナンバーは、ほとんどが県内ナンバーです。
これの意味するところは、地元の人達に愛されているってことです。
ここはかなりの要チェックポイントですよ。
うどんにうるさい讃岐の人が、こぞって向かうということですから。
「讃岐うどん」の麺が、こんなに美味しいなんて!
私はこのお店に初めて行ったときの衝撃を覚えています。
「め、麺に味がついてる!?」
そう思ったからです。
これまでは、小麦粉と塩、水を練ったもの、でしか思えなかった麺が、しっかり味つきと感じました。
しかも、麺やさんも、素材は本当、上記の三つだけ。
何が違うんだろう。寝かせ方とか、そういうのかな。
とにかく、「うどん」は「うどん」でしかないと思っていたたえさんが、讃岐にきて初めて、
「麺が違う!」
という、通のような一言を発したわけです。
希少糖を使った「だし」も絶品!
あと、だしも! だしも美味しいの!
「讃岐うどん」のだしには通常、普通の上白糖が使われるのですが、こちらの麺やさんでは、「希少糖シロップ」なるものが使われています。
これは、食後の血糖値の上がりを抑制することができる糖です。
実は、たえさんは高血圧だし、初期の糖尿病でもあります。ですから、「うどん」は結構敬遠したいものではあったのですが、こちら「麺や」さんのうどんだけは、だしまで飲めるので嬉しい限り♪
美味しいし、ありがたいし、本当に助かっています。
オススメは夏場の「ざる」、冬場の「しっぽく」
暑い夏の間、よくおじいちゃんと食べるのが、「ざる」です。
まあ、これが美味しいの、なんの♪
ちゅるるん、と「大」ぐらいペロリと食べちゃいます(笑)←大は3玉
冬場の「しっぽくうどん」は、讃岐ならではのうどんではないでしょうか。
温かいうどんに、たくさんの野菜が入っています。
ちょっと「麺や」さんのではないかもしれませんが、こんな感じです。
寒い冬には、本当に温まる一品です♪
とにもかくにも、たえさんはそれから、うどんといえば「こだわり麺や」さんに行くのが常になりました。
でも、「こだわり麺や」さんだけではないお気に入りのお店もできましたよ♪
たえさんオススメの「讃岐うどん」店
釜あげうどん 長田in香の香
「かのか」と読みますよ。
ここはね、本当に釜あげしかないの。「かけ」とか「肉」とかそういうのは一切なし。
「釜あげうどん」のみ!
でも、常に駐車場がいっぱいです。
県外ナンバーがべらぼうに多いです。
でも、地元ナンバーも多いです。
それだけ美味しいってことです!
先日、おじいちゃんと、「たらい小」をぺろりといただきました(笑)
こちらはうどん玉が4.5玉入っています。でもぺろりです。
「なんなら大でも良かったなぁ」
とはおじいちゃん。いや、本当に(笑)
私も実家のあった愛媛の親戚がやってくると、まずここに連れていきます。
みんな、家族へのお土産にうどんを買って帰りますね。
それだけ美味しいってことだと思います。
ハズレなしです✨
麦香
ここのねーー、「ちく天ぶっかけ」の味が、どうしても時々思い出して、ついつい行ってしまうお店です(笑)
とにかく、うどんもさながら、ちくわの天ぷらが死ぬほど美味しい♪
それをぶっかけうどん……ととと。
ここで、ちょっとだけワンポイント。「かけ」と「ぶっかけ」の違いについて。
- 「かけ」とは
-
本当に普通の、一般的な「うどん」です。透き通っただしに麺が入っているあれですね。
- 「ぶっかけ」とは
-
こちらは、つけ汁をそのまま麺にかけている、という感じ。なので「だし」が濃いです。
おわかりいただけましたか?
ぶっかけの方が味が濃いので、だしまで飲んでいる人はあまりいませんね。
話それましたが、そんなぶっかけに熱々のちくわの天ぷらが乗っているこちらの「ちく天ぶっかけ」は、本当に最高です♪
あと、カレーうどんも美味しいですよ♪
とりあえず
こちら、「谷川米穀店」を紹介していたのですが、2022年10月5日現在、諸事情でいったん、パッと見られないようにしておきますね。
でも、本当に美味しいうどん屋さんだったんです😥
本当はもっと、紹介したいのですが、多くなりすぎるので割愛しますね。
「讃岐うどん」の味の違いに気づいた後
不思議なもので……。
「こだわり麺や」さんで、
「ここのうどんはほかの店と違う!」
と気づいた後、他の店の良さもわかりだしたたえさんです。
それまでは本当、どこも同じ味に想えたのに……。
もしかすると、長年、この讃岐という土地に住んでいるからこそ、味の違いがわかってきたのかもしれません。
口の中までもが「讃岐人」になってきたのかな?(笑)
あとは、生まれも育ちも讃岐である「おじいちゃん」が、長年あちこちのうどん屋に足を運んだ成果が伝わったのかもね。
私に(笑)
おかげで今では、自分なりの美味しい店も見つけられるようになりました♪
「麺」だけ美味しい店。「だし」だけ美味しい店。この違いもわかってきましたよ。
結論。
- 「讃岐うどん」の「味」を知るには、距離感を縮めること
- 「讃岐うどん」の「違い」を知るには、詳しい人にあちこち連れて行ってもらうこと
- 「讃岐うどん」の「美味しい店」を見つけるには、昼時の駐車場を確認すること
とにかく、自分の足であちこちに巡ることが大切。
オススメのうどん屋を紹介している本などを頼りにするのもいいですが、地元の詳しい人に連れて行ってもらうといいですね。
最後、本当に美味しくないお店には、昼時、車が一台も停まっていないなど、目で見て明らかです。
最後に
ふと、思ったんです。
讃岐の人は、「讃岐うどん」に愛着を持っているからこそ、朝から晩まで讃岐うどんでも何の問題もありません。
同じように、地域地域で、これぞソールフード! といったものであったり、遺産であったり、祭りであったり。
そういう、誇れるもの、って大切だなぁって。
とはいえ、やはりその県外の人たちにしてみれば、「ふーん」みたいなところもあるのは事実。
嫁いできた時の私のようにね(笑)
でもこれまた不思議。
長年、讃岐に住んでいたからか、今ではすっかり「讃岐うどん」がソールフードです♪
そういうのを含めて、冒頭のおじいちゃんの一言。
「なるほどなあ」
なわけです(笑)
Originally posted 2022-10-05 01:18:45.
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